イタリアンレザーの特徴とは?経年変化の魅力をご紹介
イタリアンレザーは、イギリスの「ブライドルレザー」アメリカの「コードバン」と並び、世界3大レザーとして高い人気があります。イタリアを代表する高級レザーは種類が豊富で、バッグや財布など多くの製品に使われています。レザー特有の経年変化を楽しめることも、イタリアンレザーの大きな魅力です。この記事では、イタリアンレザーの特徴や経年変化の魅力を詳しく紹介していきます。
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目次
イタリアンレザーとは?
イタリアンレザーとは、イタリアのトスカーナ州で生産されている皮革のことです。トスカーナ州は高品質な革が集まる場所で、皮革産業が盛んな地域としても有名です。イタリアンレザーは、イタリアで加工された革のことを指すので、イタリア産の皮というわけではありません。また、イタリア製の物がすべてイタリアンレザーになるわけではなく、下記の3つの認定基準をクリアする必要があります。
- 規定のベジタブルタンニン鞣しの製造工程を遵守すること
- 化学物質は使用せず、植物の抽出成分のみを鞣しで使用すること
- レザーの使用工程はトスカーナ州内で行うこと
この認定基準は「トスカーナ産植物タンニン鞣し革協会」が定めています。3つの厳しい基準を満たしたものだけが、イタリアンレザーとして認められます。
ここで出てくる「鞣し(なめし)」とは、動物の皮を皮革製品として加工することを言います。加工方法はさまざまで、現在は化学薬品を使うことも多くなりました。しかし、イタリアンレザーは植物成分のみで手間暇かけて施しているため、発色が良く耐久性のあるレザーへと仕上げることができるのです。
イタリアンレザーの3つの特徴
イタリアンレザーには、以下の3つの特徴があります。
- 牛革を使用している
- オイルを染み込ませる
- バケッタ製法で作られている
3つの特徴をそれぞれ詳しく解説していきます。
牛革を使用している
イタリアンレザーのほとんどは、牛革(カウレザー)を使用しています。牛革は数あるレザーの中でも比較的手に入りやすく、コストも抑えられるためです。
オイルを染み込ませる
イタリアンレザーにはオイルをたっぷりと染み込ませています。オイルレザーはやわらかく、しっとりとした手触りが特徴です。オイル特有のツヤが出るため、光沢感のある色味が楽しめます。
バケッタ製法で作られている
バケッタ製法とは、植物性のタンニンを時間をかけて染み込ませていく革鞣しの方法です。化学薬品を使用すると効率良く鞣すことができますが、バケッタ製法ではじっくり時間をかけて行うことが特徴です。時間とコストをかけたイタリアンレザーは、使うほど深い味わいが出てくるため、レザー特有の経年変化も楽しむことができます。
イタリアンレザーで見られる経年変化の魅力
レザー製品の楽しみといえば、経年変化があることです。この記事でも紹介しているイタリアンレザーの経年変化には、以下のような魅力があります。
- 使うたびに馴染んでいく
- 色の変化を楽しめる
- 自分だけのオリジナル作品に仕上がる
- 長く愛用できる
それぞれの魅力を解説していきます。
使うたびに馴染んでいく
イタリアンレザーはオイルがたっぷり浸透しているので、手触りがどんどん良くなっていきます。オイルの効果により、使うたびに洗練された質感が出てくるのです。毎日手に触れているとオイルの馴染みも良く、レザーの表面がなめらかになっていきます。
色の変化を楽しめる
レザーの経年変化でわかりやすいのが色の変化です。特にイタリアンレザーは使用する染料が多く、鮮やかでカラーバリエーションも豊富です。使っていくうちに、深みのある色合いへと変化する楽しみがあります。
自分だけのオリジナル作品に仕上がる
同じレザー製品でも使う頻度や用途によって、経年変化の仕方は一つ一つ異なります。イタリアンレザーは大切に使い込んでいくと、美しい変化を見せてくれます。自分だけの愛用品を育てる気持ちで、日々の変化を楽しみながら仕上げていきましょう。
長く愛用できる
レザー製品は長く使えるものとして人気が高いです。その中でもイタリアンレザーは、丁寧に鞣し加工がされているため、良質で耐久性にも優れています。お手入れも簡単にできるので、愛着のあるアイテムを長く持ち続けることができます。
イタリアンレザーの経年変化を楽しむためのお手入れ方法
レザーの経年変化を楽しむためにはメンテナンスが必須です。レザーの特徴を知り、正しくお手入れをすることで長く楽しむことができます。イタリアンレザーは、製造過程でオイルをしっかりと染み込ませているため、最初に油分を補給するお手入れは必要ありません。使い始めの頃は、乾いたやわらかい布でレザー表面を軽く拭き取るだけで十分です。
レザーの栄養補給を目的としたクリームの保湿は、1~2ヶ月が目安です。状態を見ながら以下の手順でケアを行いましょう。
- ブラッシングをする
- クリームを馴染ませる
- やさしく乾拭きをする
詳しいお手入れの方法を順番に解説します。
1.ブラッシングをする
表面についたごみやホコリを馬毛のやわらかいブラシで取り除きます。力を入れずに軽くササッと払うように落としていきます。
2.クリームを馴染ませる
表面のツヤ出しと保護をするために、レザー専用のクリームを馴染ませます。クロスに少量のクリームをつけ、全体に薄く伸ばしていきます。色ムラが出ないように、少しずつ均一に塗ることがポイントです。
3.やさしく乾拭きをする
仕上げに乾拭きをします。余分な油分を拭き取ることで馴染みが良くなり、より美しい経年変化を楽しめるようになります。このひと手間があることで、仕上がりも変わってくるため最後まで丁寧にケアを行いましょう。
経年変化を楽しめる人気のイタリアンレザー3選
レザーの経年変化を楽しみたい方には、イタリアンレザーがおすすめです。比較的早く経年変化が起きることで、初めてレザーを持つ方にも変化の進み具合がわかりやすいからです。また種類も豊富で良質な物が多く、自分好みのアイテムも見つけやすいでしょう。
イタリアンレザーの中でも、人気が高い3つのレザーをご紹介します。
- アドリアレザー
- マットーネ
- ミネルバリスシオ
それぞれの特徴を詳しくご紹介します。
アドリアレザー
美しい発色が自慢のイタリアンレザーで、イタリアの老舗マストロット社が製造しています。程よい弾力とやわらかさを持ち合わせているので、上品な仕上がりになります。表面はシボ加工がされており、傷が目立たないため安心して日常使いができるアイテムです。経年変化で大きく色が変色することはないので、そのままの色合いでじっくり楽しむことができます。
マットーネ
レザー本来の良さが引き立ち、光沢感のあるイタリアンレザーです。こちらは、イタリアのバダラッシカルロ社が製造しています。希少価値が高い子牛の皮から作られており、ガゼイン加工というツヤ出し処理が施されています。手作業でたっぷりとオイルを染み込ませているため、メンテナンスは比較的簡単と言えるでしょう。半年ほど使っていると独特の光沢感が出て、味わい深い色味へと変化していきます。
ミネルバリスシオ
レザーの表面が非常になめらかで、シワの少ないイタリアンレザーです。イタリアのバダラッシカルロ社が製造しており、質の高いレザーを作り出すことにこだわっています。つるつるした表面が特徴的で、ハリ感のある触り心地が人気の理由です。見た目にも高級感があり、おしゃれなアイテムとして取り入れたいレザーの一つ。経年変化の進みは比較的早いので、日々の変わりようを存分に楽しんでいくことができます。
イタリアンレザーの特徴を知って愛用品を育てる
イタリアンレザーは、イタリアのトスカーナ州に多くの製造会社があり、それぞれに特徴があります。どの種類でも時間と手間をかけて、厳しい基準をクリアした良質なレザーです。多くの人に愛されているイタリアンレザーは、初めての人でも使いやすく、普段使いに取り入れやすい物ばかりです。経年変化を楽しみながら、自分だけの愛用品を育てていきましょう。
日光発ハンドメイドレザーブランド | 革と布地と着物帯 | Saetta
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