テキスタイルとファブリックの違いとは?素材の特徴を解説!
アパレル業界やインテリア業界で頻繁に使われる用語に「テキスタイル」と「ファブリック」があります。ともに「布」や「生地・織物」を意味するのですが、なぜ2つの用語が存在するのでしょうか。
この記事では、「テキスタイル」と「ファブリック」にどんな違いがあるのか、どんな使い分けがされているのかをくわしく解説します。
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目次
テキスタイルとファブリックの違いとは?
「テキスタイル」と「ファブリック」の違いについて、実は、厳密な定義はありません。加工前の生地のことを「テキスタイル」、加工された布製品のことを「ファブリック」と使い分けることが一般的ですが、同じ意味で使うことも多々あります。
語源・意味
テキスタイルとファブリックの意味としては、辞書によって多少違いがあるものの、「布」や「生地・織物」と同義でした。しかし、語源を遡ると少し意味が違ってきます。テキスタイル(textile)の語源は、texo(織る)+-ilis(されたもの)で、古くから「織られたもの」を指す言葉として使われてきたようです。
一方、ファブリック(fabric)の語源は、フランス語の fabrique(工場)から始まり、その後、ラテン語の fabrica(鍛冶場、熟練を要する製作物)を経て「職人(faber)の織物」」という意味になったといわれています。現在において、ファブリックを「布製品」として使い分けされているのは、語源に「工場」や「製作物」という意味が入っていたからなのかは不明です。
海外におけるテキスタイルとファブリックの違い
テキスタイルとファブリックは、英訳でも同義であるように、海外においても明確な使い分けがされているわけではありません。
しかし、海外のテキスタイルメーカーとファブリックメーカーの商品を比較すると、日本同様、加工前の繊維メーカーのことを「テキスタイルメーカー」、カーテンやクッションカバーといったインテリアメーカーのことを「ファブリックメーカー」と使い分けられています。
ただ、同じデザインのことを「テキスタイルデザイン」や「ファブリックデザイン」として紹介している企業もあるため、海外でも厳密な違いはないようです。
テキスタイルの特徴
テキスタイルは、加工前の布、つまり「生地そのもの」と使い分けられていますが、その素材となる繊維は豊富で、それぞれ特徴があります。以下で一部をご紹介します。
- 綿・・・柔らかく、通気性があり、肌に優しい
- 麻・・・吸湿性があり、涼しげな印象を与える
- ポリエステル・・・耐久性があり、シワになりにくい
- ウール・・・保温性が高く、防水性がある
- ナイロン・・・強度があり、耐久性に優れている
- レーヨン・・・絹に似た光沢があり、通気性が良い
これらの特徴を活かし、組み合わせることで、独自のテキスタイルが完成します。例えば、暖かい季節には通気性の良い綿や麻、寒い季節には保温性のあるウールといった機能性を重視したテキスタイルであったり、「このデザインにはこの素材」とデザイナーのこだわりから、質感を重視したテキスタイルだったりとさまざまです。
テキスタイルは、ファッションやインテリアに使用されることが多いのですが、非装飾用の「テクニカルテキスタイル」として、産業や医療、工業などの分野にも使用されています。例えば、建設遮光シート、保温シート、防虫ネット、フィルター、マスク、内装材といった製品は、テキスタイルが持つ機能性を重視し製品化されたものです。
テキスタイルは、製品や作品の基礎となる重要な要素となっており、「テキスタイルからいろんなものが作れる」という可能性を秘めているのです。
ファブリックの特徴
ファブリックは、加工後の布製品、つまり「布製品全般」と使い分けされ、主にインテリア用語として使用されています。素材となる繊維は、テキスタイルとほとんど変わりません。
インテリア業界におけるファブリックは、広い意味で使用されることが多く、カーテンやクッションカバー、ラグ、ソファの張り布といった布製品から、壁紙やタイル、カーペット、ファブリックパネルといった建築関連まで多岐にわたります。
ファブリックは、インテリアには欠かすことのできない、空間を左右する重要な要素であり、人と空間を繋ぐツールになっています。
テキスタイルとファブリックを上手に使い分けよう
テキスタイルとファブリックは、似たような意味を持つ言葉であり、厳密な違いはありません。しかし、業界によって使われ方に違いがあります。テキスタイルは布の素材や機能性を活かし完成させたもの、ファブリックは空間やデザインを楽しむ、どれも私たちの暮らしに密着したものばかりです。
アパレル業界、インテリア業界に携わる方々と違い、一般の方には聞きなれない言葉かもしれませんが、テキスタイルとファブリックの使い分けを知っておくと、目的に合った素敵な商品に出会えるかもしれません。
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