「本革と合皮」結局どっちがいいの?メリット・デメリット
未来のために本革を選びませんか?
昨今「持続可能な~・・・」や「環境のために~・・・」などといった理念を掲げている企業が急増しています。
世界中でSDGs達成のための取り組みがなされ,それが日本の経済にも浸透してきていることは良いことだと思っています。
しかしながら,多くのアパレルショップでは,合皮のバッグや小物が扱われているのが現状です。
革職人の僕からすれば「???」の状態。現在の大量生産,大量消費から抜け出すには,本革を選ぶべきではないのでしょうか?
今回はちょっと真面目に未来のために,本革と合皮,そのメリットとデメリットを紹介します。
合皮よりもメリットが多い!
合皮の品質は年々向上しています。革職人である僕も,一目見ただけでは本革と見分けがつかないようなものも出回っています。
合皮は「フェイクレザー(偽の革)」とも呼ばれていますが,悪いものではありません。合皮は本革と比べると,以下のような良さがあります。
・価格が安い
・耐水性に優れている
・汚れに強い
・軽い
・発色が良い など
生き物の皮膚から時間をかけて作り出す本革よりも,コスパが良い傾向があります。
そのため,ファストファッションを中心に,流行を追いかけた安価なレザーアイテムが並びます。それらの多くは,シーズンごとに入れ替わり,気付けば「流行おくれ」になっていくのです。
買っては捨て,買っては捨て・・・それが真のオシャレと呼べるのでしょうか?
その一方で,本革にはこんなメリットがあります。
・丈夫で長持ち
・使うほどにつやが出る
・個体差があり世界に一つだけ
・高級感
・匂いがする など
布に合成樹脂を塗り固めて作った合皮では再現できないメリットばかりです。
職業柄,お客様から「革は手入れが大変では?」という質問をされることがありますが,それは勘違いです。
これは,本革は少しの傷であれば,オイル等での補修が可能であるということ。合皮に傷がついてしまったら,ちょっとやそっとでは修復することはできませんからね。
本革は「手入れが大変」ではなく「手入れが可能」であり,それは長所なのです。
実は,レザー業界も頑張っておりまして,最近では発色のよい本革や耐水性に優れた本革も開発されています。僕の商品にも,多く使われていますよ。
様々なアイテムに最適なのは本革!
先述した通り,本革の魅力はなんといっても長持ちであること。
合皮は,使うほどに劣化していきます。
表面がボロボロと剥がれてきた経験はありませんか?布地に合成樹脂を塗り固めているため,曲げたり擦れたりすると樹脂が剥がれ落ちてしまうのです。
剥がれるまでいかなくとも,柔らかさが失われたり,ペタペタと手触りが悪くなったりしていきます。ベルトやバッグなど曲げたり擦れたりすることが多いアイテムには本革がオススメですね。
本革では,使うほどに味が出てきます。経年変化(エイジング)という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
生き物の皮膚から作られているため,繊維が複雑に絡み合っています。その繊維の固まりが,使っていくうちにほぐれていき,柔らかさやツヤが出てくるのです。
また,繊維のすき間に空気や湿気を取り込んだり,それを放出する性質があります。このように,革には吸湿性や保温性があるので,靴や手袋にもぴったりです。
時折,こんなご意見を目にします。
「生き物の皮をつかっているなんてひどい!」
生きている牛や豚の皮膚を頂戴しているとでも思っているのでしょうか・・・。まさか,この時代に,そんなことが行われるはずがありません。
あまり知られていないかもしれませんが,ほとんどの本革は,牛や豚が食用肉に加工されていく過程の副産物から作られています。(一部,病気や寿命で亡くなってしまった動物の利用などもあります。)
生き物の命を粗末にしない,という視点で見れば,本革はエコであると言えるのではないでしょうか?
だから,革を無駄なく使うことや,革製品でお客様を笑顔にすることが,僕たち革職人の「つくる責任」であると思います。
魅力たっぷりの本革を使ってほしい
今回のまとめ
本革のメリットはたくさんある!
良い物を持ちたい,長く使いたいなら断然オススメ!
雑に使う or 少ししか使わないなら合皮でOK!
僕のブランド「AKIHIRO KAWAI」では,本革を使用したバッグや財布を作っています。日光市のアトリエでは,実際に本革の魅力を手に取って感じることができます。ぜひ体験しに来てください。
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